インスリン抵抗性では、T細胞がすくない

だから、糖尿病は感染症にも弱いのかもしれません。
  • 血糖値が上がったままの状態を長く続けなければ糖尿病にはならないのです。
  • 糖尿病といわれても、血糖値をうまく管理してさえ行けば普通の生活ができます。
  • 糖尿病は自身で長く続けられる食事法や運動による血糖管理が大切です。
血液中の糖の濃度、つまり血糖値が高い状態、あるいは過去に高い状態が続いていたことがある場合を糖尿病と言ますが、それ自体では特別緊急を要する 問題ではありません。
しかし、血糖値が高い状態が続くことによって起るその他の症状が極めて危険な状況を生むため、糖尿病は怖い病気と言われています。

糖尿病はことに、血管に関わるいろいろな障害が、取り返しのつかない、修復できない状況にしていきます
例えば、目の毛細血管が弱り、破けてしまうことにより、目が見えなくなる。 足の血管がつまり、ちょっとした怪我や細菌感染で壊疽を起し、切断を余儀無くされる。
心臓の血管に異常が生じれば、心筋梗塞。脳の血管であれば、脳硬塞。 といったぐわいで、このような症状は自覚症状のないまま進行し、ある日突然発症します。

糖尿病予防では「肥満」しないこと、治療でも肥満を解消すること、が必要とされていますが、日本人はやせ型でも糖尿病になっています。

欧米人の糖尿病発症は、はじめにインスリン抵抗性があり、次にインスリン分泌低下と進みますが、日本人では、もともとインスリン分泌能力が低いため、発症時点で同時に2つのことが現れています。
それだけに、日本人の糖尿病は予防が大事となります。
なぜなら、インスリン抵抗性は「肥満状態」をダイエットすることでも解決できる可能性がありますが、疲弊したすい臓が原因のインスリン分泌低下は、簡単には解決できないのです。

インスリン分泌については、幹細胞移植という方法もあるようですが、 一般には、過食しないことや、血糖値の急上昇を避けることで不足することを避け、最終的にはインスリン注射による補完が用いられます。

インスリン抵抗性については、肥大した脂肪組織の炎症で分泌されるサイトカインがインスリン抵抗性を生じさせていると見られてきましたが、そのメカニズムは明らかになっていませんでした。 このことについて、最近、、免疫細胞の「T細胞」が関わっている新しい報告が米テキサスA&M 健康科学センターからあります。

同センターの報告では、
「肥満マウスは免疫系のT細胞が不足しており、この減少は免疫系をインスリン抵抗性となるように仕向けている。T細胞を正常値近くに回復させると、高脂肪食を続けていてもマウスの体重が減少し、インスリン抵抗性が改善される」としています。
また、T細胞はアレルギーに関係しているのですが、普通のマウスにマスト細胞(暇万細胞)を「安定化」する作用をもつアレルギー薬を与えたところ、これも効果があり、この薬剤のヒト糖尿病用バージョンを開発する動きがある、という報告もあります。

T細胞:
免疫系で自己と非自己を区別する役割をもち、免疫応答の制御や感染した細胞を死滅させたり、免疫の中心的役割を果たしてます。もしT細胞が無くなると免疫機能全体が弱まり、結果、死を迎えることになります。

肥満細胞:
肥満細胞(ひまんさいぼう)は哺乳類の粘膜下組織や結合組織などに存在する造血幹細胞由来の細胞。マスト細胞 ( mast cell ) ともいう。すい臓のランゲルハンス細胞とともに炎症や免疫反応などの生体防御機構に重要な役割を持っています。
肥満細胞は通常アレルギーに関係しており、IgE(免疫グロブリンE)を介したI型アレルギー反応の主体となるものです。

ちょっと、ひとこと。
血管へのダメージは、知らないうちに少しずつ進行する高血糖への傾斜からなじまります。若いときから、過食に注意し、日常の活動量(運動)を維持する暮らしが基本ですが、このことを医療では教育していません。
国として医療費を抑制するのなら、このことを子供のときから意識付けることが本当の予防対策ではないでしょうか。トクホ商品を売ることに手を貸す前に、しっかりした食育を実施してほしいものです。


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